合繊×ウール。北陸の合繊と和歌山の編立が生んだ「QX生地」を徹底解説
QX生地から新作2型が登場
K-3Bのオリジナル素材、ウールダブルフェイス・パイルの「QX生地」。糸は北陸、編立は和歌山。肌側にウール、表側に自社開発の合繊を使い分けた、それぞれの産地の技術を掛け合わせてできた生地です。
軽さや撥水性を得意とする合繊素材が多いK-3Bのなかで、QX生地は暖かさに優れた素材です。気温が下がり始める秋から、本格的に冷え込む冬まで長く活躍します。
ウールの暖かさは誰もが知るところですが、重さや毛羽立ちがつきもの。QX生地はそこを合繊の技術で解いています。
なぜ暖かいのか。その理由は、裏面・糸・表面それぞれに込めた3つの工夫にあります。
1 裏面のパイルが、空気の層をつくる
肌側のループが暖かい空気をため込み、体温が逃げるのを抑えます。
2 肌側のウールが保温と調湿を両立する
保温性に加えて湿気も吸うので、暖かいのに蒸れにくい着心地です。
3 合繊の表面が熱を逃がしにくい
28ゲージのハイゲージを熱で締め、密度を高めています。
暖かさの理由1 裏面のパイルが空気の層をつくる
暖かさの正体は「動かない空気」です。QX生地の裏面は、短いループがびっしりと並ぶパイル構造。ループとループのすき間に空気がとどまり、体温で温められた空気の層が肌のまわりにできることで、外へ熱が逃げにくくなります。
表面(外側)|目の詰んだフラットな編み地
裏面(肌側)|ループの間に暖かい空気をため込む
このパイルは「ラッチパイル」という手法で編んでいます。編み立てを担うのは、パイル編みの産地・和歌山のニッター。編み針の先にある数mmのパーツを熟練の技術者が調整することで、毛足が短く、ループが抜けにくいパイルに仕上がります。さらに熱加工でパイルが潰れにくくなっているため、着込んでもへたりにくく、空気の層=暖かさが長く続くのが特長です。

裏面(肌側)のパイル。ループの間に暖かい空気をため込みます
暖かさの理由2 肌側のウールが保温と調湿を両立する
裏面のパイルには、ウール糸を混紡しています。ウールの繊維には「クリンプ」と呼ばれる細かな縮れがあり、繊維が絡み合うすき間にたくさんの空気を含みます。空気は熱を伝えにくいため、ウールそのものが保温材のような働きをします。
もうひとつの強みが、湿気を吸う力です。暖かい服は汗や湿気がこもって蒸れたり、冷えたりしがちですが、ウールは湿気を吸収してくれるので、暖房の効いた室内や電車の中でも快適な着心地を保ちやすい素材です。外は寒く、中は暖かい冬の移動にこそ、この性質が活きてきます。
ウール単体では、こうはならない
混紡する合繊も、ウールの風合いに合わせてバルキーな短繊維を採用。肌あたりは柔らかく、インナーとこすれても毛羽立ちにくい。
暖かさの理由3 合繊の表面が熱を逃がしにくい
ウールのニットは編み目の粗いローゲージが一般的ですが、QX生地の表面は編み目の細かい28ゲージ。さらに編み上げた後に熱加工を施し、自社開発の「異収縮混繊糸」(北陸生まれの合繊)を縮ませることで、生地巾が約30%狭くなるほど編み目を詰めています。
密度の高い表面は、裏面にため込んだ暖かい空気を外へ逃がしにくくします。そしてもうひとつ、編み目が詰んでいることで、表情がフラットで端正になる。

表面のアップ。目の詰んだ編み地が熱を逃がしにくくします
カジュアルダウンしすぎない、大人のスウェット
裏地にパイルを使った生地は、本来スウェットの領域のもの。QX生地はそこに北陸の合繊とウールを掛け合わせ、和歌山で目を詰めて編むことで、スウェットの心地よさを持ちながら、大人がそのまま人前に出られる一枚に仕上げました。
部屋着の快適さと、外で着られる端正さ。そのあいだを埋める生地です。
構造 ダブルフェイス(表:フラットニット/裏:ラッチパイル)
表面の糸 自社開発の異収縮混繊糸(北陸生まれの合繊)
裏面の糸 ウール×合繊の混紡
ゲージ 28ゲージ(ハイゲージ)
産地 糸:北陸(石川)/編立:和歌山
おすすめの時期 秋〜冬(春先まで着用可)







