注目の素材、和紙糸を編み込んだ「K生地」シリーズを徹底解説
日本古来の和紙が、いま最先端の素材として脚光を浴びています。K-3Bではいち早くカットソー素材「K生地」として商品化しており、その着心地の良さから大好評を博しています。表面はとろりとしなやか、肌面はサラッと快適!そんなK生地の製造工程にズームイン。
和紙糸ってどんなもの?
和紙糸にもさまざまな種類がありますが、K生地の材料となる和紙糸は顕微鏡で見ると3本構造になっています。ポリエステルの芯糸にスリットされた極細の紙のテープが被さり、一番外側には別の糸が巻き付いて紙の繊維をカバーします。
ふわっと空気を含んだ和紙はデリケートなので、ポリエステルで中と外から優しく保護することで強くしなやかな糸に生まれ変わります。和紙の性質を活かしたまま保護するために、繊細なバランス調整の上で撚りをかける…これが自社製造ならではの技術です。
また一般的によく使われるマニラ麻などではなく、K生地ではより柔軟で強度の高い針葉樹から作られた和紙を採用しています。
カットソー生地の中にこんなふうに和紙が入っているとは意外ですが、これほどの手間をかけて糸から作り込んだのには、大きな理由があるのです。
「呼吸する繊維」、和紙糸製品の特徴は?
紙から糸を作る技術は、日本では1000年以上前の奈良時代から存在していましたが、衣料品としての強度がないため徐々に衰退します。しかし近年になってその機能性に改めて注目が集まり、新素材としてテキスタイルに採用され始めました。その秘密とは?
・優秀な吸湿性と放湿性
木材の多い場所にいると、夏はジメジメした嫌な湿気を吸収し、冬は水分を放出して一定の温度を保っているので快適さを感じます。この性質は、写真のようにストロー状の細胞が無数に並ぶ樹木の多孔質性がもたらしており、それは紙になっても変わりません。
・消臭機能が高い
備長炭と同じような働きで、和紙が構成する多数の空洞は臭い成分を吸着する性質があります。検証によると汗やタバコなどの嫌なニオイに効果があるとされています。ケミカル成分ではなく、自然の力で消臭してくれるのが嬉しいポイント。
・軽量
空気を多く含むので、ふんわり感があるのに手に持つと軽量。着心地の良さにつながります。
編み方にも高度な工夫と技術を採用、和紙の魅力をマキシマイズ
K生地は、表と裏で表情が全く違います。ソフトなポリエステル100%の糸の裏側に和紙糸を送り込み、2本の糸を同時に編み上げていくのですが、その際に表面はポリエステル糸・裏面は和紙糸になる「プレーティング編み」という仕組みを使います(図解では薄いグレーがポリエステル・濃いグレーが和紙糸となっています)。
これにより、外側はしなやかでとろりとしたきめ細かな手触りでありながら、裏面は和紙が最大限肌に触れ、吸湿放湿の役割を果たす構造となっています。
前述のようにポリエステルでカバーされた和紙糸なので、肌あたりはとても柔らか。着心地の良さからファンの多い商品となっています。
K生地の製品を集めたページは【コチラ】