K-3Bの母体、テキスタイルメーカー・カジグループの工場に潜入!
K-3B製品の素材は、石川県所在の「カジグループ」というテキスタイルメーカーが独自開発しています。糸の加工を担当する「カジナイロン」、織物の「カジレーネ」、ニット生地を編む「カジニット」という3つの工場からなる製造現場、それぞれの工場内部をご紹介。繊維のスペシャリスト集団が創り出す、先進的なテキスタイルたちの背景をご覧ください。
「糸」の開発から物語が始まる。-カジナイロン-
合成繊維の糸の加工製造に特化した企業、カジナイロン。世界のトップブランドに採用されるほど高品質な超極細繊維や、仮撚(かりより)糸など精密な管理を要する加工糸が作り出される現場です。
仮撚とは、原料となるナイロンなどのファイバーを束ね、その束に熱をかけながら撚り合わせたのち、撚りをほどくことで1本1本の繊維に微細なカールを付ける加工のこと。まっすぐだった素の糸が、これによって伸縮性と空気感をまといます。
K-3Bの「A生地」では、この仮撚糸をポリウレタンの芯糸にぐるぐると巻きつけて1本の織り糸を構成したものを採用しているので、抜群のストレッチ性があるうえナイロン特有のシャカシャカ感を抑えたモダンなテクスチャーになっています。他にも加工の技術は多岐に渡り、それらを掛け合わせることでさまざまな機能を持つ最先端の糸が作り出されます。
目に見えないほど細い糸を、繊細に織り上げる。 -カジレーネ-
カジレーネは、合繊織物の製造工場。広い空間の中に極細繊維のロールが無数に並び、そこから伸びる糸が1本1本織機(しょっき)に仕掛けられ、高速で巻き取られながら1枚の布地になっていきます。あまりに繊維が細いので、向こう側がはっきり透けて見えている様子が画像から伝わると思います。
蜘蛛の糸のような、ふわふわとした超極細繊維を安定した状態で加工していくには、空気の乾燥による静電気の発生が最大の敵。石川県は湿潤な気候で雨量が多いので、糸加工や織物工場の設置に適した湿度が通年保たれます。北陸地方で繊維産業が発達したのは、気候に恵まれているためなのです。こういった極薄素材以外にも、カジレーネでは織りの設計に最新技術を投入し、天然素材の質感を付与した生地やポリウレタンを含まないのにストレッチ性のある生地など、さまざまな新素材を開発しています。
比類のないハイゲージ編み、高品位ニットの担い手 -カジニット-
ゲージ(G)とは編機の針の密度を表す単位で、1インチ=約2.54cmの間に編み針が何本あるかを示す数値です。数値が高いほど編み目が細かくなり、28G以上あるとハイゲージと呼ばれます。K-3Bの代表的な素材「N生地」は、40Gという驚きの細かさ。また「ダブルニット編機」という編み針が2列に並んだ機械を使うことで、表裏2層構造かつ両面とも40Gという、非常に滑らかで繊細なテクスチャーを実現。
ジャージー素材とは思えないような高密度でしっとりした手触りを持つ生地の数々は、巨大なシリンダーにびっしり並んだ細い針が波紋のように動いていくことで生産されていきます。繊細なチューニング技術や湿度管理がないと成り立たない、プロフェッショナルな現場です。
ここに紹介した3社の他に、カジグループではマシナリー事業も展開しており、繊維製品を製造するための機械も自社開発・製造しています。
テキスタイルのすべてを一から作り上げていく仕立て屋さん…そんな環境の中から、私たちはK-3Bの製品をお届けしています。